見た目を気にし小学生のうちからダイエットをしたり、雑誌に載っているもので着飾ろうとしたりと、ルッキズムにとらわれる子どもたちが増えています。
またそれは確実に低年齢化しています。
外見の自分磨きも素敵なことですが、やはり内面から湧き出る充実感や自信の輝きに勝るものはないですよね。
とはいえそう悟るにはまだ経験が浅いのが思春期の子どもたちの年齢です。
彼らにルッキズムにとらわれることなく自分に自信を持ってもらい、また相手の内面もしっかり見て友達などを大切にできる思春期を過ごしてもらえるように、大人もできることをしていきたいものです。
ルッキズムとは
外見至上主義と訳されることもある「ルッキズム」、特に「身体的に魅力的でないと考えられる人々を差別的に扱うこと」をさす言葉で、美しさや格好良さが学校や職場などの人間関係において強い影響力を持ち、見た目が魅力的な人ほど優遇されるような状況をいいます。
子どもたちとルッキズム

「雑誌に好きな中学生モデルがいるの~😍」

「わたしもー!みんなスタイルいいしカワイイよね~♪」
この感覚はわたし達の世代とかわりません☺
一方でわたし達が子どもの頃との違いはモデルの人達が身近な存在だからでしょう。
というのも大半のモデルの人は小中学生であっても雑誌にとどまらずブログやインスタグラム、YouTubeなどのメディア発信をしています。
すごいのはコメント返し!
一般の人からのコメントにも本人から返信が来るなんて嬉しいですよね~☺
こんな風に普通以上に体型を気にし、大人顔負けのスキンケアをし、可愛い服を着ているモデルが身近に感じられるため、いまの子ども達は「カワイイ☺」の基準にするハードルはとても高いですし、外見を重視することを他者に対してだけではなく自分自身にもしていくようになっているように感じます。
実際にこうしたことからダイエットをはじめ摂食障害になってしまうケースはとても多く、体づくりをすべき時期にそれが十分にできずとても心配です。
いくつかの原因
子どもを取り巻く環境はより便利になった反面、様々なツールから得られる情報量は膨大で、その中から正しい情報を選び抜くのはなかなか難しいため一定のルールを設けることをおすすめします。
また正しい情報、あるいは逆に誇張されている情報だと見極めるには、家庭や学校、社会といった「対ひと」との関わりの中で正しい情報を伝えることと、子ども達の容姿、内面ともに幅広く十分に肯定し自信を持たせることも大切です。
SNS
先日の新聞に、メタ(前フェイスブック)が傘下のインスタグラムをめぐり「若者への悪影響」を把握しながらも対応が後手になっていたという記事が載っていました。(利用者の安全と会社の利益についての内容はここでは省きます)
記事には一例としてアメリカの高校生(16歳)のインタビューがあり、10歳の頃から一日に5・6時間はスマートフォンを見ていて、SNSを通して「(加工され)細すぎる足、スレンダーすぎる体・・不可能な美の標準に合わせようとする極限のプレッシャーがあった」と書いてありました。
彼女の世代では毎日千枚の写真を見ていると言われているとも。
彼女は知らぬ間に影響を受けその頃から数年間ダイエットをし、14歳の時に摂食障害だと気づいたそうです。
SNSには普段出会えない多様な人との出会いや情報があり時には励みになるでしょう。
ただ一方で例えば上のように現実離れした容姿を毎日見続けて受ける影響やプレッシャーは大きなもののため、SNSの使用時には時間制限が必要だと思います。
普段の生活の中での外見評価
学校で何気なくかわす「足ほそーい!いいな~」
友達関係がより密接になる思春期には、SNSから離れていても同じようにプレッシャーを感じる場面は普段の生活の中で多々あります。

こんな場面で「今は沢山動いてるししっかり食べる時期だよな!」と思えるよう是非家庭で外見も内面も普段から沢山ほめてあげてほしいのです。
どんな子も、何かに一生懸命取り組んでいる時って本当に素敵ですよね!
緊張した姿も、真剣な姿も、喜ぶ姿も、そして悔し泣きする姿も。
わたしも感情をのせてピアノを弾く娘に「綺麗!」とか「素敵すぎる~」などとよく言います。
娘は音に対してだと思っているのでしょうが、わたしはいつも彼女の雰囲気や取り組む姿の輝きに対して伝えている言葉です。
内面の輝きが人に伝わり魅力的にうつることを徐々に感じてもらいたいなと思っています。
また、思春期の時期はしっかりとした体を作るために睡眠や栄養、運動のバランスを十分にとるべきだという正しい情報を、日ごろから家庭で繰り返し伝えることも大切です。
女の子は月経への影響も大きく、それは将来の妊娠にまでおよびます。
月経の仕組みも十分に伝え、自分の体を自分で大切にできるよう促したいものですね。

解放されるには多様な環境と人間関係と経験
わたし達大人もそうであるように、子ども達の中に存在するルッキズムも大半はいつかは隠れていくものです。
社会の中で多くの経験を重ねながら、見た目のようなわかりやすいものだけではなく、さまざまな要素で物ごとを判断するようになるからです。
目指しているものを先に手にしている人や尊敬する有能な立場の人の外見が様々だったり、自分のやりたいことを追求し内面から輝いている人との出会いなど多様な価値観にふれて自身の価値観を変えていくのでしょうね。
大人にできることのまとめ
大きく言うと心身の健康をキープするお手伝いをすることです。
①摂食障害に陥らないためにも、思春期の体の変化を受け入れ自分の体を大切にできるようになるためにも事前の情報はとても大切です。
なぜ女の子は丸みを帯びた体になるのか、月経が来るのか、男の子はひげが生えるのか、精通が起きるのか、繰り返しからだが持つ神秘的な仕組みを理解してもらい受け入れられるように準備しておくことをおすすめします。
②メディアとの付き合い方をはっきりさせておくことも大切です。
上にも書きましたが、多様な人の情報を得られることは例えば多分野での少数派の人にとって貴重な場である一方、偏った情報や誇張された情報があることも確かなため、見極めができないほどの付き合い方は避けるべきです。(話題になった「母から子に伝えるスマホ18の約束」の記事はこちらから!)
③また、ほめられることはきちんと言葉でほめてあげられるといいですよね。
自己肯定感が育まれれば自分の心身を大切にするべく正しい判断をしようとするものです。
そしてその自己肯定感で乗り越えられる試練はこの先多いだろうなと経験からも思うのです☺
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