ー乳児死体遺棄で母親逮捕ー
残念ながらよく報道されている事件です。
先日も、22年前の新生児遺棄事件の容疑者を、乳児のへその緒などから採取したDNA型の再鑑定から特定したとのニュースをみました。
22年もの間追われていた事件の容疑者はやはり母親一人。
一人で妊娠したわけではないのに・・
新生児の命をないものにした罪は決して許されることではありません。
けれど自分の出産経験からも、一人で出産することはどれほどの孤独と不安を感じていたのだろうかと考えてしまいます。
一人で背負っていた妊娠期と出産、また他の選択肢に行きつくことができなかったことに、やるせないなあとも思いました。
一時期「こうのとりのゆりかご」の名で「赤ちゃんポスト」という育てることのできない新生児を親が匿名で特別養子縁組をするシステムがある熊本の病院が話題となりました。
赤ちゃんを育てることが難しければ乳児院や里親に一時的に預けたり、特別養子縁組により新しい家族に託す方法もあります。
けれど、そんなことを考える余裕や頼る平常心はないくらい追い詰められていたのではないでしょうか。
乳児死体遺棄の事件を見ていると犯行に及ぶのは、妊娠した際、より戸惑うであろう若年層だけではないんですよね。
うめない・育てられない判断に至る背景や要因は、「望まない妊娠」や「経済的に育てられない」「未婚・非婚」「家族や親族からの孤立」などであり、これらは年齢にかかわらずあるそうです。
多くの自治体が必要な施策として、予期せぬ妊娠をした場合の相談支援を挙げるそうですが、事後対応の強化以前に、やはり予期せぬ妊娠を避けられるよう家族計画を含めた子どもの頃からの平等な性教育が必要だと思います。
それはもちろん女性側だけではなく、特におろそかにしてきた男性側の知識についてもです。
冒頭のような事件の際も、父親にあたる男性はどこまでの知識があり、どんな心境で名乗り出ず、もし名乗り出た場合には刑事責任を問われるのかなど、例をみないためわかりません。(まるで妊娠や出産が女性一人で完結しているかのように思わせられます)
そして子どもの頃からの平等な性教育と並行して
①社会的孤立で情報をキャッチできない
②そのまま孤立出産に至る
③その後の自治体のサポート体制は脆弱
これらを見直していくべきでしょう。
婚姻年齢引き上げを皆さんはどう見ていますか?
ジェンダーギャップの解消に見えつつ、~17歳までにのぞまない妊娠をした際の選択肢は一つ減ります。
16歳のまま据え置きを希望しているわけではありませんが、婚姻年齢引き上げと同時に起こり得る問題を鑑みた教育システムが早急に必要ですよね。
また中絶に対しても「一つの権利である」と受け止める人が増えるようになればいいとも思います。
親世代が性知識を深めること、中絶を否定しないようにすることで、のぞまない妊娠をした際の当事者からのSOSは出しやすくなります。
それはきっと悲痛な事件を減らすことにもなるはずです。
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