確実な同意以外は不同意/性犯罪法改正の方向性

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強制性交罪をはじめとした性犯罪をめぐる刑法の規定の見直しで、法務省が法改正の試案を示しました!
試案(改正点)の多くは被害者や支援者の声が反映されたもので、処罰範囲は広がる見込みです。

最大の焦点は強制性交罪でした。
従来の暴行・脅迫だけではなく、被害者が声を出して抵抗できないなどの「拒絶困難」の場合も犯罪として成立すると改める内容になったのです。
そのため、予想外の事態に直面させて恐怖を与えたり、虐待、雇用関係や教師と生徒の関係などを想定した地位利用も盛り込みました。

また、試案にはグルーミング罪や盗撮罪の新設も盛り込まれました!
これは時代に沿った新しい前向きな一歩です。

【強制性交罪の構成要件として試案で示された8つの行為】
①暴行や脅迫を用いる
②心身に障害を生じさせる
③アルコールや薬物を摂取させる
④睡眠、そのほか意識が不明瞭な状態にさせる
⑤拒絶のいとまをあたえない不意打ち
⑥恐怖をあたえたり驚愕させたりする
⑦虐待
⑧経済的地位や社会的地位などの利用で不利益を憂慮させる

ただ「不同意性交罪(意思に反してという点だけに焦点をあてたもの)」の導入は見送られたね💦

実はこれこそが被害者や支援者が声を大にして導入希望を訴えていたもの

というのも現行の刑法では、暴行・脅迫を用いれば強制性交罪となるものの、不同意だけでは『被害者の「抵抗が゛著しく困難゛ではなかった」と解釈されるため』処罰はないのです。
この゛抵抗が著しく困難゛という基準があいまいで、必死に抵抗した形跡がないという理由で無罪判決となることが相次ぎました。

内心の問題となると何が罪に当たるかが不明確であるという意見や、冤罪もうまれやすいとの意見が多く今回の導入は見送られたようですが、被害者はその場で硬直して動けなくなるなど抵抗が難しいことが理解されていなさすぎます。
見えない心も人権で、それが傷つけられていたら人権侵害なのに・・

ちなみに欧州の多くの国では意に反する性行為は処分対象となる法規定が当たり前です。

スウェーデンでは18年の刑法改正で「相手から積極的な同意を得ていない性交はレイプ罪」と規定され、明確な同意なしの性行為は性犯罪とする法制度に移行していて、国として被害者を守る法律が作られています。(拒絶がなければ同意とみなす考えを排除するための見直しだった)
日本でも、せめて意に反する性行為は性犯罪(同意のない性交は犯罪)とする明確な法規定が必要でしょう。

加害者が「同意があった」と主張すると不起訴になることがありますが、YES以外は不同意なのです。
冤罪を防ぎながらしっかりと法で被害者救済をしていくべきですね。


普段、地域で開いている講習会で同意のお話をする際には
「×はもちろん×。△も×です
とお話ししています。
相手が、う~んと迷って明確な答えが出ない場合、×の可能性が残る場合の△も×と周知されるべきものです。

〇だったものが△や×に変化しても×です
ともお伝えしています。
いいよといったものの直前、もしくは途中で気持ちが変わることは日常でもよくあることです。
その際にも相手を責めず、怒らず受け止めることが大切なはずです。

性交も、同意が双方完全な〇であるべきです。
それも「継続して」です。

法改正の試案の話に戻りますが、様々な要因からNOと言えない被害実態があることを理解・反映し、それを救う試案の方向性には安心しました。
ただ今後、もれなく確実に罰する法整備を整えるためにも、不同意性交罪の導入に向けてどのような動きがあるのか注視していきたいです。

【追記】
その後、「強制性交罪」の罪名は「不同意性交罪」となり、同意がない性行為は犯罪になり得ることを明確にした改正刑法が2023年7月13日に施行されました。

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