『わたし今日はイライラするなーー』、あるいは『最近娘の機嫌が悪いな・・』
それって月経前だったりしませんか?
❛生理のトリセツ❜①の、「まずは自分やパートナーの月経のサイクル・特徴を知ろう」の続きを紹介します。
PMS(月経前症候群)は軽減できる

PMSって聞いたことがありますか?
月経が始まってから排卵日(月経スタートから14日目程度)くらいまでは2つある女性ホルモンのうちの1つ「エストロゲン」が多く分泌され、多くの女性が心身ともに調子がいいと感じやすい時期です。
一方で月経の1週間ほど前からは、もう1つの女性ホルモン「プロゲステロン」の分泌量が増え、体温が高くなり、水分を体に溜め込みやすくなります。
こうした体内のホルモンバランスの変化によって、月経周期のあいだに心やからだに不調がでることを「月経前症候群(PMS)」といいます。
症状は人それぞれで個人差があり、イライラや強い眠気、不安、集中力低下、腹痛、頭痛、胸のハリ、便秘など様々です。
7~8割の人が症状あり
日本では、月経のある女性のおよそ70~80%が月経前に何らかの症状があるといわれていて、さらに全体の5.4%くらいの人は生活に困難を感じるほど強いPMSを示すとされています。
PMSの中でも、特に心の症状が悪化して日常生活に支障をきたすような症状を「月経前不快気分障害(PMDD)」といいます。

上記の症状以外にも、手足のむくみや肌荒れ、体重増加もPMSなんだって。
沢山あるうちのどれかが3回続けて起きたらPMSかも!
女性ホルモンを整えてPMSや月経痛を軽減させよう
女性ホルモンを整えるには、生活習慣の見直しやリラックスしてストレスを減らすことが必要です☺
<睡眠>
まず、睡眠はとて~も大切!
特に思春期では、成長ホルモンが最も多く分泌され、それがエストロゲンの分泌を促し、更には脂肪分解作用もあるため、最低8時間はとれるといいでしょう。
自律神経を整える成長ホルモンは、就寝後3時間にぐっすり眠ることで活発に分泌されるといわれていますよ。
毎日、できるだけ同じ時間に寝て同じ時間に起きると、体のリズムが整うため深い睡眠が期待できます。
遅くても、0時までには就寝するのが理想!
とはいえ忙しい毎日・・なかなか難しいでしょうが、是非意識することから始めてみてほしいと思います。
<食事>
次に食事!
月経前の食事はケーキなど甘いものや脂っこいものをさけることがおすすめです。(甘党にとっては辛いですよね!わたしもそうなので(;゚Д゚)!まずは少し減らしてみるところから始めてみましょう~)
砂糖を多く含んだこれらを食べると、血糖値が急激に変化するため、糖質やたんぱく質の代謝(ビタミンB1・B6)に必要だったり、血行を促進したりする(ビタミンE)ビタミンやミネラルを消耗してしまうからです。
また大量の血液を子宮に回すのに、甘いものや脂っこいもので血がどろどろだと、子宮内膜がスムーズにはがれず、子宮を収縮するホルモンをさらに出して子宮内膜をはがそうとするためお腹が痛くなるので気を付けたいですね。
神経を鎮める働きのあるカルシウムやマグネシウム、上記のビタミンやミネラルを含む食品などを積極的にとれることが理想です。
特にPMSや月経痛がひどい人は月経前の食事内容を少しずつ見直して変化を見てみてはいかがでしょうか。

<運動>
適度に体を動かし、常に代謝や血流を良くしておくこともポイント!
PMSの症状が重いのは、運動不足が原因である可能性も考えられるため、是非ウォーキングやストレッチなど、運動不足の人でも負担が少なく、体をじっくりと温められる運動を習慣化してみましょう!
続けているうちに自律神経が整い、血流が良くなってむくみが解消されるだけでなく、リフレッシュ効果も期待ができます。
自律神経を整え、心身の不調に効くさまざまなポーズがあるヨガへの挑戦もおすすめ。
ゆっくりと深呼吸するため、リラックス効果も得られるはずです。
また、子宮や卵巣を守る重要な骨格である骨盤がゆがんでいると周辺の血流が滞ってしまうため、卵巣機能が低下し、ホルモンバランスも乱れるといわれています。
ストレッチや簡単な運動を習慣化したり、足を組むなど骨盤のゆがみにつながりやすい姿勢を避けるなどして、ゆがみを解消していけるといいですね。
<ストレスをためない/リフレッシュタイムをつくる>
ストレスをためないことも大切です☺
いい香りをかぐ、おいしい物を食べる、好きな音楽を聴く、マッサージを受ける、癒やされる物を見るなど、癒やしを実感できることを積極的に取り入れて、心身をリラックスさせましょう!
周囲の理解を得よう
PMSや月経と付き合うにあたり周囲の理解を得ることは、生活習慣を見直すことと同様に大切です。
月経は、周期も経血の量・PMSの有無や重さにも個人差があるものです。
自分がPMSかなと思えば、家族や先生やパートナー、友人といった周りの人に理解をあおぐことをおすすめします。
もし自分のPMSの程度を周囲にきちんと伝えていなければ理解はしてもらいにくく、単に機嫌が悪い・体調が悪くなりやすい人として受け止められてしまうこともあるでしょう。
一方で伝えられていれば、相手も原因が分かり納得ができて対応しやすいものです。そして理解してもらえている本人も安心するはずですよね。

PMSや月経はトラブルがあることが普通ではない
PMSや月経はトラブルがあることが普通ではなく、ないことが普通です!
PMSや月経トラブルがある人は必ず原因があるはずなので、月経中は毛細血管が多い目を使いすぎないことや、消化に余計なエネルギーがいるから月経前は小食にすること、普段から腰まわりをあたためることなど、色々工夫をして軽減を試みてみましょう。
☆☆月経中のお風呂は経血が湯船で出てしまうことを心配し避ける人が多いですが、水圧で経血は出にくいためつかってもいいものです。是非湯船で体をあたためてくださいね。
ただし経血量が多くなりやすいため、可能ならぬるまゆがおすすめです。またお湯を汚す心配から家族の中でも最後に入りがちですが、膣炎をおこす可能性を避けるためには清潔な一番風呂に入りましょう。
さいごに、重いPMSや重い月経トラブルには病気が隠れていることもあるため、気になる場合は婦人科や産婦人科に相談してくださいね。
ピルの検討もおすすめです。
おすすめの月経管理アプリ

アプリを使い月経の管理をすると、どんな行動や生活習慣がPMSや月経トラブル改善に役立ったかなどが分かりやすいので活用してみるといいと思います。
①Clue
無料月経管理アプリClue。月経日や排卵日の予測だけではなく、PMS症状が起きやすい日も計算して教えてくれる。
また生理周期の円形グラフがホームにあり、これで今日がどの周期のどのあたりかが一目でわかる。
出血量や痛み、気分など多くの項目の中から記録しておきたいものを選んでカスタムできるのも魅力。
②ケアミー
こちらも無料のサービス。婦人科医監修のWebサービスで、「ピル服用モード」があり、服用時間になると通知が届き、ワンタップで服用を記録できる。

経血は健康のバロメーター
経血には子宮内膜の細胞と免疫細胞、膣内の分泌物、そして血液が混ざっているため、けがをした際に出る血液とは異なるものです。
汚いと思っている人も多いでしょうが汚いものではありません。
ただし様々な感染症の感染源になるものではあるため手洗いは必須ですね。
また、経血の量やにおいは健康のバロメーターでもあるといえるでしょう。
個人差があるため、毎月自分で観察し、異臭がしないか、急激に量が増えていないかなどを把握することが大切です。
あくまでも「経血の内容」が健康のバロメーターになり得るだけで、「月経が来ること」が健康のバロメーターではありません。ですのでPMSや月経痛で悩む場合はピルを服用し月経をコントロールする選択は大切です☺
月経前・月経期間に生活習慣を整えて過ごすことは、PMSや月経トラブルの改善だけではなく、肌がきれいになったり通常よりも体調がよくなったりもします✨
PMSや月経はトラブルがあることが普通だと諦めず、改善を目指して月経前の生活習慣を見直してみませんか?
またパパや男の子のみなさん、こんなわけで女の子は月経前や月経中は心身ともに不安定になることがあります。
その期間はなんと月の約半分!1年の約半年!
風邪ではないのに体調や機嫌が悪い時には、「なんだよ機嫌悪いなー」とは思わず、「もしかしてPMSかな?それとも月経がスムーズではないためかな?」と理解してもらえると嬉しいです。
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