みなさんは『起立性調節障害』って知っていますか?
わたしは知りませんでした。
けれど娘の体調不良の原因がこれだと言われ、知ることとなりました!
思春期に起こりうることはまだまだ知らないことだらけだな~と思ったので、子育てや孫育てをしているみなさんにも、いざという時のために知っておいてもらえればいいなと今回はテーマにしました。
【この記事を書くにあたって快く了承してくれた愛する娘に心から感謝します。】
起立性調節障害とは
はじめに症状や検査方法、症状緩和にはどのような対応が必要かを紹介します。
症状
起立性調節障害とは、小学校高学年~中学生に多くみられる自律神経系の異常で循環器系の調節がうまくいかなくなる疾患です。
大人の体への変化は 自律神経系にも起こるため、循環器系の調節がうまくいかなくなることがあるのです。
立ち上がった時に血圧が低下したり(下半身にたまった血液が上半身や頭にまわりにくい)、心拍数が上がり過ぎたり、調節に時間がかかりすぎたりするため、 「起立時のめまいや失神」「朝なかなか起きられず午前中調子が悪い」「疲れやすく長時間立っていられない」などの症状が典型。(他にもあります。こちらからどうぞ)
この疾患は自律神経疾患なので身体的要素以外に、ストレスをため込みやすいタイプの子など精神的・環境的要素も関わって起こると考えられています。
注意しなければいけないのは、あくまでも体の病気であり、本人が頑張ればどうにかなるということではないものだということです。
すべてを疾患として扱う必要はありませんが、生活に支障をきたしている場合は疾患として扱うため診察を受ける必要があります。
検査
どんな検査で診断するのかな?
起立性調節障害の症状は他の多くの疾患でもみられるため、まずは血液検査、画像検査など、症状にあわせて必要な検査を行い、他の疾患でないことを確認する必要があります。
次に、他の疾患が否定され起立性調節障害の疑いが強い場合は、新起立試験という寝る体勢から立った時や立った後の血圧と脈拍・かかった時間をそれぞれ測定して、その変化を明らかにする検査を行います。
その際に、血圧や心拍数の回復がうまくいっていない場合に疾患とみなされます。
症状緩和には
①水分2L、塩分10gを目安に摂る
起立性調節障害の子どもは血液量が少ないので、循環している血液量を増やすために水分と塩分をしっかりと摂ることが大切です。(目安としては食事以外に2Lの水分と、食事を通して10gの塩分)
②適度な運動
日中ゴロゴロしているとその体に自律神経が合わせようとますます起きられなくなるので、立ち上がることはできなくても、座ったり、どうしても寝たい時でも上半身をあげるようにするなどして頭の位置を心臓よりも高くし、高い位置に血液を送るための調節を自律神経が忘れないようにすることが大切です。
可能であればリフレッシュもかねて適度な運動ができるといいでしょう。
③起立するときはゆっくり!また長時間の起立はできるだけ避ける
起立性調節障害の子は立ち上がるときの調節が苦手なので、ゆっくり立ち上がり、うつむきながら起立して最後に頭を上げるようにします。
また長時間同じ姿勢で起立していると下半身に血液がたまり、頭の血液が不足がちになりので、足を動かしたり、クロスさせたりする筋肉運動で、下半身にたまっていた血液を上半身や頭に流してあげましょう。
④ストレスコントロールをする*重要
自律神経系は心の影響を受けやすいので、ストレスは症状悪化の大きな要因になります。
症状がひどく学校に行けないことを子どもたちは非常につらく感じています。
その苦痛を理解し、頑張っていることを評価することがとても重要です。
「午後からなら登校できる、行事や部活動になら行ける、遊びになら行ける」などは体調が万全でないときの起立性調節障害の子どもにはよくあることです。
心の負担なくこれらができるように、また症状があっても充実した生活ができるように、周囲で協力して見守りましょう。
学校に行けなかった日に、放課後の時間に友達と遊ぶことがいいものなのか判断に困っていました・・
いま思えばそれは体裁だったり、それまでのしつけの観点からのわたしの勝手な迷いだったので、調子が戻る午後からは娘がしたいことを尊重してやらせてあげるべきだったと思います。
☆また、朝起きられないことから、不登校になる割合も多いことが知られています。
起立性調節障害小児の3分の2が不登校で、不登校小児の約半数が起立性調節障害を合併していたというデータもあります。
娘の場合
今度は娘のことを紹介していきますね!
☺細身ながらも、ここ2年は特に心身の成長が著しい小学校5年生。
☺性格は人見知りで慎重、心配性、慣れると活発、気遣いができる半面抱え込んでしまうタイプ。
☺熱しやすく冷めやすいものの、熱したときの集中力と粘り強さは素晴らしく、継続する力もあり。(逆に言えば無理もしてしまう)
☺先生と友達に恵まれ学校はすごく好きだという。
その頃の習い事は公文(週2と毎日の宿題)、ピアノ、英語、テニスで平日の放課後は全てうまり土日にリフレッシュするスタイル。
↓
ちなみに今はピアノ、英語、バスケ(土日)です。
症状
4年生の冬から食後の腹痛を訴えるようになりました。
少し横になるとおさまるため「胃が小さいのかな」とか「急に食べたからかな」と重要視していませんでした。(今思うとここからがはじまりΣ(゚□゚;))
5年生の春、就寝前に急に心拍数が200ほどにあがり、更にはなかなか下がらず病院受診。
検査と医師の診断や説明
他の疾患を排除するために、血液検査、ホルター心電図、各臓器の画像検査などを受けました。
それらに異常がないと分かったので次に新起立試験を受けたのですが、その際めまいが強かったため立つことができず正確な数値が測れませんでした。
結果、起立性調節障害疑いと診断され、説明されたことは、完治までの期間は十人十色で、ひと月の人もいれば数年かかる人もいることと、活動したくても体がついていかない本人のもどかしさを家族で理解してあげてほしいということでした。
また、起立性調節障害から鬱や不登校になることが少なくないため、できる運動をしたり、水分を多めにとったりして体調を整えるようにも教えてもらいました。
娘の様子
まず体は、とにかく辛そうでした・・
波はあるもののやはり特に午前中は体調が悪く(起き上がれない・吐き気・心拍上昇・息苦しさ)、顔面蒼白で喋ることもトイレに行くこともできなかったんですΣ(゚□゚;)
次に心の中~
「すごく不安・・」とよく言っていました。
不安なことは2つあり、一つはこれだけ辛いのに本当に大病ではないのか、見落としがあるのではないかという不安。
もう一つは体調不良や検査のために遅刻・早退・欠席を重ねていたので、このまま学校に行けなくなるのではないかという不安。
これらをよく漏らしていました。
その後、起立性調節障害はよくなったものの次なる問題が・・
そんな状態が4ヶ月ほど続きました。
けれど、いつの間にか起立性調節障害ではなくなっていたのです。
「どこからだった」という線引きは今になってもできないのですが、気付くと体調が悪くなる時間帯がかわり、起立性調節障害の症状が減っていたのです。
ただ!!
ここからは新たな問題を抱えることになりました。
遅刻・早退・欠席を重ねたため登校する自信をなくしてしまったのです。
学校も友達も先生も大好きで登校したい!
けれど気持ちとは裏腹に体がついていかない・・
遅刻で学校に向かうものの道中で気持ちが悪くなり引き返す、登校したものの体調が悪く保健室で休む、こんな日々でした。
また病は気からなのか、嗅覚や聴覚が過敏になり、においや音で体調が悪くなる新たな症状が出てきました。
その頃のわたしの心情
大病が見つからなかったことに安堵しましたし、起立性調節障害の症状が減りそれも本当によかったと思えたものの、連鎖していく体調不良や不登校気味な状況に不安はありました。
痛感した健康第一!
ただ一方で、集団だからこそ自己が高められる環境である学校分のフォロー(人間関係・学習・規律・協力など)を十分にしていけるかどうかが心配だったのです。
やはり先生や友達は様々なモデリングとなりますからね。
それに毎日学校との往復でわたしの心も疲れ気味でした。
いいよいいよと休ませることが正解なのか、少しでも行かせることが正解なのか、日々手探りでした。
できることをやってみた夏休み
さあこうして季節は夏へとうつっていき、夏休みに~!
一ヶ月半3食作る夏休み・・沢山の宿題の確認をする夏休み・・トイレがいつもより汚れる夏休み・・暑い夏休み(これは当たり前)・・
いつもならげんなりするところが、今年の夏は待ちに待った夏休みとなりました。
なぜなら娘がしっかり休むのにタイミングがよかったから!
これ以上学校に行ったり行かなかったりする生活が続けば段々フェードアウトするよう感じていたので、まずはしっかり長期で休み、習い事や人間関係、食生活、運動、睡眠、学習、様々なものを見直しリセットしようと思っていたのです。(教育は必ずしも学校教育だけではないので行かない選択もありますが、娘の場合学校が好きで行きたいと希望していたためです)
娘のリスタートのサポート計画
ひそかに4つ夏休み中に意識して実行したことはこちらです。
①公文をやめる・・数年先の学習をしていてやりがいはあったものの、毎日の宿題に費やすパワーと時間は大きく長く、一方で復習しきれていない学校の学習がありそのバランスにもやもやしていました。習い事は本人の意思を尊重してきましたが今回はわたしから提案し少し強引に退会ました。
②主要教科の一学期分の復習・・学習に自信がなくなると不安が増すだろうと、しっかりと復習をしました。
③バスケ・・前から希望されていたものの平日の放課後が全てうまっていたためゴーサインが出せずにいましたが、公文をやめ時間ができたためはじめることにしました。(テニスは退会)
④友達とつながり続ける・・大切な存在である友達と遊ぶ機会を夏休み中ももち二学期のスタートに心の支えになるようにしました。
⑤わたしの口出しを減らす・・メディアを見すぎだとか、宿題は終えたのかなどの干渉がストレスになっているのではないかと、ペースを娘に任せる場面を増やしました。
二学期スタート
いまは10月半ばですが、娘は始業式から毎日登校しています。
全てが調和して、夏休みの 一ヶ月半のうちに徐々に調子が戻ったのだと思っています。
「きてね!」ではなく「無理しなくていいからね」と言ってくださった担任の先生、一方で「この話の続きしたいからまた明日もきて!」と言ってくれた友達、偶然でしょうがこのバランスも娘にとってとてもよかったのだと感謝しています。
また、『学校を移ってみるなら田舎きていいよ~』と、母にとっても大きな変化となることを快く提案してくれた母にもお礼が言いたいです。
~誰にでも起こりうる~
起立性調節障害のこが毎年高学年に何人かいることを先生から聞きました。
どのこにも起こりうるのです。
ただ知らないと、「休みたいだけなのではないか?」などと理解と対応が後手になってしまうので、思春期にはこんなこともあるんだな~と心にとめておいてもらえると嬉しいです。
また娘の場合は短期間で終わりましたが、期間も症状も人により様々です。
どちらにせよ家族の理解とサポートは欠かせません。
育児や介護もそうですが、サポートする側のリフレッシュ時間も大切にしつつ支えてあげられるといいですよね。
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