陰部のトラブルは、赤ちゃんから大人まで多くの人が経験するものです。
よく聞いてきたものは、女の子の場合は便を拭く際に陰部の方に向かって拭いてしまい、大腸菌が入って炎症を起こしたもの、男の子は包皮を下げて亀頭を出して洗う際に包皮を下げきれておらず包皮と亀頭が張りついている部分に垢がたまり炎症を起こしたものなどです。
出産後、なんとな~く優しく洗ってあげて、一人で洗えるようになってからもなんとな~く任せていませんか?
女の子の性器の洗い方
大陰唇(直立した状態で正面から鏡で見てぷっくりふくらんでいる部分)は石鹸で、割れ目はシャワーで洗いましょう。(割れ目は石鹸でないわけは下に~)
自分で洗えるようになったら、大陰唇と小陰唇(大陰唇内側にあるひだ状の部分)の間に垢がたまりやすいのできれいにできるといいです。
次がとても大切!
女の子の性器の中には常在菌といって、腟内の環境を正常に保つために必要な菌もいます。
腟内をせっけんを使ったり洗いすぎることで腟内のバランスが崩れ、トラブルが起きやすくなります。
ですから性器を洗う時には、腟の中までは洗わなくて大丈夫ですよ。
このことは大人の女性でも知らない人は沢山います!
自分も気を付けながら、お子さんにも伝えてあげられるといいですよね。
女の子はトイレでの便の拭き方も大切です。
大腸菌が陰部に入らないように前から後ろに拭くことをオムツ替えの時から伝えていくといいと思います。
男の子の性器の洗い方
男の子は自分で洗えるようになったら包皮を少し根元の方に引っ張り、引っ張って亀頭が出たらそこも洗いましょう。
洗い終わったら包皮を戻してあげることを忘れないでくださいね。
男の子の場合、人によっては包皮口が狭かったり癒着があったりして包皮が引き下げにくい子どももいます。
その場合は痛くない程度に少しずつ引けるところまで引いて戻すことを繰り返すうちに、おそらく数ヶ月で癒着がとれて洗えるようになると思います。
包皮をむかなければと保護者が焦り、痛がる子どもの包皮を下げようとする話をよく聞きますが、痛い・辛い経験が重なると、子どもに自分の体に親しみを持ち大切にしてもらいたいところが逆効果になってしまいます。
特に幼少期のペニスは小さくてやわらかくて引き下げにくいものです。
また、誰でも生まれた時は包皮口が狭く、亀頭と包皮の間には生理的癒着があるため、頻回にやらないとすぐに元通りくっついてしまい大変ですので、自分で洗うようになったら出来る範囲で託しましょう!
その後はペニスの成長とともに包皮口は広がり、亀頭と包皮の間の癒着も分離していきます。
ですので年齢あがると自然にむけることが多いです。
包茎について少し
ちなみに小児科外科学会によると新生児の真性包茎(勃起時だけではなく平常時でも亀頭を露出させることができないもの)は100%、~1歳で80%、1~5歳で60%、小学生30%、思春期ではさらに減るそうです。
そして大人になって亀頭が出ている人は男性の30%!
つまり成人の包茎の割合は70%。
意外ですよね!ですから、包皮の引き下げは焦らず少しずつ子ども自身ができる範囲でしていきましょう。
ただ、ただれや腫れやかゆみのような亀頭包皮炎や、おしっこの出口が狭くて汚れる、癒着していて発育に伴い圧迫されて痛む( 成長しても亀頭と包皮の癒着の分離がうまくいかない状態の真性包茎は手術が必要なものもあります )などの症状がある場合は小児科や泌尿器科に相談をしてくださいね。
性器を自分で洗うトレーニングは2~3歳から
衣類で体を守ることを理解し、個室で用を足すようになり、プライベートゾーンを大切にするようになる、そんな時期のステップに是非性器を自分で洗うことを加えてあげて下さい。
『卵子と精子がくっついてね・・』
そんな話だけが性教育ではありません。
日常にある性にまつわる会話や行動・情報は沢山あるので、是非それらをキャッチして子どもと共有しましょう。
思春期やそれ以降の性の対応がとてもスムーズになります!
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