長所と短所は多くが表裏一体
友人から「うちの子落ち着きがなくて~」と言われると、「それは元気な証拠よ」と返す。
「うちの子集中力がなくて~」と言われると、「色々なことに興味が持てるなんていいじゃない」とも。
こういうやり取りってすごく多いよね!
こんな風にわたし達大人は実は短所を長所に変換するのが大の得意だったりするものだ。
これほど瞬間的かつ容易に変換できるのは長所と短所の多くが表裏一体であるから。
ただし対我が子となると話は別。一気に変換が苦手となり、更にはつい短所にばかり目がいきがちになるものだろう。
かく言うわたしも我が子となると変換が苦手になる一人・・今回は自戒をこめて書いていきます!
是非一緒に短所から長所への変換を、我が子にもしてみましょう!
子どもはもちろん、親であるわたし達大人の心もきっと軽くなるはず。
『元気一杯な子』が『落ち着きがない子』と見られるようになる時期
小学校に入学するころを境に、子どもを見る大人の目はかわるものだろう。
「親と子ども」という少人数の縦の関係が中心だった未就学児の時期に比べ、学校で過ごし学ぶ時間が圧倒的に増え「先生や友人」という集団の横の関係の方が大きくなる小学校時代。
その環境の中では「協調性」や「規則正しさ(時間に着席するだとか、共有するものを大切にするだとか皆のルールを守ることなど)」が求められ、子ども達はそれらを意識し、その集団の一員であろうとするものだ。
同時に親も、協調性などが必要であると認識し子どもを応援するため、他の人からの評価がより気になるようになるものだろう。
こうして子ども達は学校の中で、また親から「元気一杯な子」が「落ち着きがない子」と見られるようになっていく。
見られ方の変化は必要な機会
一見せっかくの長所やその子らしさが短所として見られ、子どもにとってよくないように聞こえるかもしれないが、実はこうした見られ方の変化は子どもが成長するにあたりとてもいい機会でもある。
親子という少人数と、学校という集団の人数では、良くも悪くも評価してくれる人数も、各カテゴリーでモデルとなる人数も全く違うもの。
子どもは集団の中で自分と人とを比べ、そこに人からの評価を擦り合わせ、自分の立ち位置を理解していくようになる。
また、もっとこうなりたいと思うとモデルとなる人を探しお手本とし、自らアップデートさせていく。
親子関係中心だった未就学児の時とは比べ物にならないくらいのお手本の数があり、当然成長度は増すものだろう。
そのため見られ方がかわり、それまでよしとされていたものが小学校に入学後そうでなくなったとしても、それは後に子ども自身が成長する一つのきっかけにもなり得ているということだ。
わたしが通っていた学校にも「人を尊び 集団の中で自己を高めよう」と大きく掲げてあったのを覚えている。
協調性や規則正しさを身につけることは、時には自分らしさをおさえなければならず煩わしく反発もしたものだが、やはり集団の中で身につけられたことはとても多かった。
家では長所を見つけて沢山ほめてあげよう
小学校に通い始めた子ども達は環境の変化のみならず、見られ方の変化をも受け入れ集団生活をしているため、抱えるストレスや戸惑いは大きいだろう。
その背景を知らないと、つい家でも短所ばかりを取り上げてしまいがちだが、それらを大人が理解し、家ではなるべく長所を見つけて沢山ほめてあげよう!
自分の子どもだからといって長所まで同じではない
各マナーにしろ、思いやりや人への配慮にしろ、特に小学校入学までは様々なことを子どもに教えてきたため、親は自分に似たものの見方や感性を長所とし、逆を短所とすることがよくある。
☆例えば外で遊ぶよりも家で読書をする方が好きな子どもに対して。
同じようなタイプの親にとっては集中力があるだとか、活字慣れしていて頼もしいだとか長所と捉えられる一方で、アクティブな親にとっては出不精で健康的ではないだとか、口数が少ないだとか短所のように捉えることがあるように。
我が子であっても他の人であるため、自分のタイプに似た長所を期待せず、あくまでも客観的に見てあげることが長所を沢山見つけてあげられるポイントの一つだろう。
内閣府が発表した調査では、日本の若者で「自分には長所がある」と思っている人は何と約62%だそうだ。あとの約38%は自分に長所がないと思っている!
想像していたよりもかなり少なくて驚いた・・直結しているとはいえないが、自ら命を絶つ若者が増えていることにも関連しているように思えてしまった。
時に自分をおさえながら規律を守り頑張って学校で過ごしている我が子。家ではたっぷり褒めることで、自分には長所が沢山あるのだと改めて自己肯定できるようになってほしいものだ。
わが家の一コマ
もう小学校高学年になる娘。クラスで流行っている「子ども六法」が欲しいと言われ購入したが、読んでいる姿を見たのは一度きり・・
次は「約束のネバーランド」の小説、目をキラキラさせて読んでいたのは一冊目だけで、今はわが家の旅行の本のコーナーにどさりと置いてある・・
言いたくもなる。「飽き性だね」、そう彼女に言うと意外な言葉が返ってきた!
「違う違う、飽き性じゃなくて自分探ししてるの。何が自分に合うか見つけるきっかけになればって、まずはクラスで流行ってるものを取り入れてみてるところ」
!!!(色々な意味で→)目からうろこ(笑)
親の私が短所だと思っていた面は自主性や行動力があるといった長所で、しかも子ども自身はそれを把握していた!
本音なのか上手くかわされたのかはわからないが、どちらにせよ感心し、思わず「すごいね。自分探しか。頑張って!」と言ったのだった。(きっとまた次の本を買うことになるとは思うけれど(笑))
まとめ
小学校からは「協調性」や「規則正しさ」をより求められるため、それまで長所と見られていた面も捉えられ方がかわっていく。
けれどそれさえも成長のきっかけとして毎日頑張る子どもに、家では長所を見つけて沢山の褒め言葉シャワーを浴びせよう。
長所は短所にもなり得る、またその逆も然りだ。
ポイントはあくまでも客観的に!短所を瞬時に長所に変換できるその能力を是非我が子にも使おう!
子どもは自己肯定感が高まり自信がつき、夢を描いたり意外なものにチャレンジしたりと、親にとっても喜ばしいことにつながるだろう。
そしてやはり、マイナスな言葉を口にするよりも、プラスの言葉を口にする方が親だって心地良いのだ。
まずは一つの変換から!それだけでも子どもにとっては大きな励みとなるだろう。
コメント